ななしょくプロジェクトの可能性

介護を通してソーシャルキャピタルを創造する

ななしょくプロジェクトは

デイサービスの活動時間内に、地域で有償ボランティアをしませんか

と、働きかける介護のプログラムのことです。

私はそのプログラムの事務局長を担っています。

この度、ラジオのニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」に出演させていただことがきまりました。

今日は改めて、ななしょくプロジェクトの1つ可能性について書き連ねていきます。

ソーシャルキャピタルとは

○ 人々の協調行動を活発にすることによって、社会の効率性を高めることのできる、 「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴
○ 物的資本 (Physical Capital) や人的資本 (Human Capital) などと並ぶ新しい概念 (参考) 人的資本は、教育によってもたらされるスキル・資質・知識のストックを表す個人の属性

〈アメリカの政治学者、ロバート・パットナムの定義〉

ソーシャルキャピタルがあると、どうなるのか?

公助や自助ではなく、共助の関係性で困りごとを解決することができます。 

例えば、骨折をしてしばらく動けなくなったとした時

 

ソーシャルキャピタルがない場合
・宅配弁当を頼む
・掃除のために家政婦さんを頼む
・移動のためにタクシーを呼ぶ

ソーシャルキャピタルがある場合
・近所の人がご飯を作って持ってきてくれる
・旧友が「困ったことはない?」と声をかけてくれる
・お隣さんが買い物に行くときに、「乗ってく?」と一緒に買い物に連れて行ってくれる

ソーシャルキャピタルは、あるに越したことはないんです。

どうすればソーシャルキャピタルを創造できるか

この先、私たちは

・自分たちの収入がなくなったとき
・年金が入る年齢が引き上げになったとき
・年金が入らないことになったとき

自分の力で生きていけるでしょうか

お金だけで解決できる財産があるでしょうか

少なくとも私は全くもってその自信がありません。

 

むしろ、誰もが自分の力だけで生きていけるのなら、介護保険も医療保険もセーフティネットも必要ないはず。

  

しかし残念ながら、私たちは日常を過ごしていて、そのことに気づく機会は準備されていません。

 

自分が生活に困ったときに、初めてソーシャルキャピタルの有無に気づくのです。

もちろん、どんな状況下でもソーシャルキャピタルを築ける人も沢山います。

でも、そんな器用な人ばかりではありません。

 

できる人に基準を合わせていたら、仕組みなんて必要ないのです。

 

必要になるまで、ソーシャルキャピタルが大切だと気づかない現状がある中で

仕組みとして、ソーシャルキャピタルを創造できるならば

これは地域包括ケアシステムの構築の1つと言えるのではないでしょうか。

介護事業所の活動でソーシャルキャピタルを創造できる

ソーシャルキャピタルを創造していくのに、個人の裁量に任せていたら、いつまで経っても浸透していきません。

ですが、私たち介護事業所の働き方に少しだけ努力を足すと、ソーシャルキャピタルを仕組みとして創造することができます。

しかも、多くのメリットをもたらす形で。

それは何か。

社会参加活動はソーシャルキャピタルを創造する

例えば、介護事業所がレクリエーションの時間を使って、地域のゴミ拾いボランティアに参加をしたとしたら

一緒に活動する利用者さんと交流することによって

  • 認知症がどんな症状なのか、一面を知ることができたり
  • 症状よりも、どんな方々がいるのかを知ることができたり
  • 親近感を持ってもらえたり
  • 自分ごととして捉えてもらえるようになったり

変化が起こります。

変化が起こらなかったとしても、最低限の

そもそもを知ってもらうことはできるんです。

そうなると、どんな良いことが起きるのか。

地域の方が介護事業所とつながりができることによって
頼れる存在があると分かることによって

それだけでも、地域の課題解決力がグッと上がるんです。

 

近所で何かトラブルがあったとき

  • 当事者がそのデイサービスの利用者さんかもしれない
  • 知らない人でも、何か病気を患っているのかと気付けるかもしれない
  • 認知症かもしれないと思ったら、知っているからこそ、一歩踏み込んだコミュニケーションが取れるかもしれない
  • 見て見ぬ振りではなく、手助けするきっかけになるかもしれない

 

・・・いろんな可能性に繋がります。

 

1つの仕組みが全ての課題を解決することにはならないけど

1つの仕組みが課題の一部を解決することにはつながります。

そしてその積み重ねが、大きな課題解決につながります。

しかも、この仕組み自体は、自分たちの事業所で行うことができるんです。

 

その気があれば。

 

私たち介護事業所は、少し取り組みをプラスするだけで

地域に貢献できる可能性が本当に大きくなるんです。

 

だから、私はななしょくプロジェクトを通して

介護事業所の皆さんと、地域に出ていくプログラムを広げていきたいんです。

今の私の直近の挑戦は、このプロジェクトに個別機能訓練加算をつけられるようにすること。

そうして少しでもハードルを下げて、報酬を上げられるようにすること。

良い結果が報告できるように頑張ります🤗

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2件のコメント

このブログわたしばっかり書いてるみたいで申し訳ないです。これ読ませていただいて、わたしも同じで仕事(お給料をもらう仕事)はしてないけど、アパートの前の道をひたすら掃除してる(だからボランティア?)のが似てると思って思わず書きました。最初は「他の人も手伝ってくれたらいいのに」って少し不満だったけど、皆さんお仕事されてたり、体が不自由な人や部屋に閉じこもってる人にそういうことを強制できないし、あるとき「お掃除の当番制」(導入はしてないけど)って「平等」のようで「平等ではない」ことに気づいて、「平等」って「できる人ができない人(弱い人や忙しい人など)を助けることなんだ」って思い始めて、そしたらいつのまにかお掃除が楽しくなって、ご近所に知り合いもいっぱいできて、通勤途中の一般の人からもよくご挨拶いただいたりして、今に至っています。ソーシャルキャピタルのことちゃんと理解したとは言えないけど、わたしに何かあったとき(いつもきれいだったのにごみが散らかってそのままになってたりしたら)ご近所の人も(でもたぶん一番にお隣のおばあちゃんが)心配してくれそうな気がします。介護事業所でも地域とのつながりを構築できるといいですね。つぐみさんの活動応援してます!

いつもコメントいただきありがとうございます。
おっしゃる通り、同じ出来事でも捉え方によって、モチベーションや、意義や大義がひっくり返りますよね。
だったら、まゆさんのようにポジティブに捉えて、自分にも沢山の良いことが起きるような方向に持っていきたいですね。
引き続き、今年もよろしくお願いいたします。

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